平成19年1月4日をもって木香館 創立満15周年を迎えることができました。
これを記念して2月2日、ご来賓各位、馴染みの業者、非常勤役員のご臨席を頂き、木香館の社員一同と創業満15周年の式典と粗宴ながら記念パーティーを執り行い、創業満15周年と言う通過点のひと時を共有することができたことに心から感謝申し上げます。
これも、偏に木香館を支えていただきましたお客様各位と、記念式典にご臨席頂きました方々の一方ならぬご支援と、弊社社員の努力の賜物と、重ねて御礼申し上げます。

15年と一言では言えるが、生まれたばかりの赤ちゃんが中学校を卒業するだけの時間であり、それは間違いなく15年の歳月を過ぎてきた足跡ではあるが、今になって15年間を振り返ってみると、つい昨日の事の様に思えてならない。
今ここで、その歴史を語ってみても詮ない事ではあるが、唯々、今日までひたすらに走り続けてきた。
後ろを振り返ったり、他所を見たりする余裕すらなかった。
目標に向かって前を向いてひた走ってきた15年であった。

変わったのは、ログハウス業界の浮沈である。木香館がログハウスの専門雑誌「夢の丸太小屋に暮らす」に広告掲載を始めた頃のスポンサーは僅かに残るのみとなり、それほど長い歴史の無い木香館が既に老舗の粋に入っていると言う現実は余りに驚きである。
ログハウスメーカーと言うと、なにか特殊な業界の様にさえ聞こえるが建設業と言う網の中で「木の家」を造っているだけのことであり、けっして建築基準法の外にある訳ではない。
そして「家造り」と言う観点から見ると、住まい手の人生さえ左右してしまうほど責任の大きな事業であれば、簡単に起業して知らない間に消滅すると言う起業家の安易な我侭も許されるべきではないし、起業することより企業となるべきである。

「ログハウスの営業には建築のイロハなど知らなくて良い、とにかく夢を語れれば良い。」と業界内の一部では、こんな事も耳にするが、とんでもない事だと思っている。
日本の建築文化と言う視点からログハウスを見ると、丸太組み工法であれば「壁が下がる」建物など考えられないし、軸組み工法に於いても「梁や柱が割れる」家など、プレハブ住宅の普及と共に造り手も住まい手も嫌い、既に姿を消してしまっている建築物なのである。

しかしログハウスの世界ではそれが常識であり味なのである。
このあたりが曖昧さを産み出す基になっていると感じているが、こうしたログハウスの「特徴」を造り手は、住まい手にしっかりとした「知識」として説明する義務がある。
ともあれ造り手は法規を遵守し住まい手を守らねばならないが、住まい手もこうした特殊な家に住む以上は正確なログハウスの特徴を、とことん理解していなくてはならない。

木香館がログハウスの世界に足を踏み入れたのは今から11年前の事であるが、始めは口コミだけの年間2〜3棟と言うものであった。口コミだけで、これだけ出来るのだから「夢の丸太小屋に暮らす」に広告を出せば、もっと沢山の受注が出来るだろう・・と言う安易な考えから「夢丸」に広告掲載を開始すると同時に他の事業部門を閉鎖しログハウス建設一本に社運を賭けた。しかし、これが2年もの間、思わぬ辛酸を味わうことになり今に至っても語り草となっている。

ログハウスを造ること、それ自体は好きで行っているが事業と言う事になると決して楽しいことばかりではなく、どちらかと言えば90%が苦しみで10%が喜びなのであろうと思う。
然し、たった10%の喜びが90%の苦しみを被い隠し100%の喜びになる時がある。その快感こそが現在まで、こうして続けられているエネルギーとなっている。
まさに「継続は力なり」であると感慨を深める昨今ではあるが、創業から満15年を過ぎた今、ここで新たな目標を立て更なる前進を開始しなくてはならない。

一つには現在のログハウス建設を如何、全国施工という展開に発展させてゆくかと言う事であるが、ログハウス業界の現在を見る限り3大メーカーの二番煎じである販社制度は期待できないと感じつつも、大きな戦略の一端である事には違いないであろう。然しログハウスの全盛時代は終焉し凡そ大手と言われるログハウスメーカーでさえ数字が伸びずに苦戦を強いられている昨今にあってはログハウスからの撤退を考えている企業が存在していると言う現実がある。

であれば二つ目は、現在の貿易業務とワークサイトに於ける躯体加工を主体とした物流と言う展開はどうなのであろう。カナダ系、中国系のログキットの輸入は外国語を使えなくても日本語で充分に可能なのでさて置き、北欧系のログキットの物流と、今、人気が高まりつつある国産材のポスト&ビーム、ハンドカットの躯体キットの物流には別の角度から可能性が残されているのではないだろうか。フランチャイズを構成している多くのログハウスメーカーの主力商品は北欧系のマシンカットが多い。しかし現在の異常なユーロ高に加え、本部の利益が上乗せされて販社さんに届けられるシステムでは直輸入の可能な少数のログハウスメーカーに価格では負けてしまうと言うデメリットを抱えているはずである。

こうして、あれや、これや模索はしてみるが結論に達する事の出来ない理由に人材不足が挙げられる。人材不足とは言っても貿易業務や設計業務では事欠かないが、今すぐ前述の二つの事を展開しようと思うと第一に、相当有能な販売力を持った営業スタッフ2〜4名ほどの補充が不可欠であり、ワークサイトに於けるビルダーの補充などがポイントとなる事は見えている。記念式典での中期5ヵ年計画では2012年には社員数30名とならなければ実現不可能なのである。

さて、5年後のログハウス市場は如何なものであろうか。「夢丸」を欠かさず定期購読されているログハウスファンであれば、その辺が見えているのではないかと思うが「夢丸」が発刊されて今年で22年となるが既に、これまで何回かの業界再編があり最近の数年では顕著な動きも見て取れるはずである。そして今から5年の間には更なる大きな動きがあるであろうと思えてならない。何故なら昨今、入手できている業界の情報にあっても広告で見る限りでは相当数の着工棟数があるであろうと思われるログハウスメーカーでさえ、驚くほどの過少実績であると言う現実があるからである。勿論、同じ業界に籍を置く弊社にあっても他人事ではない。出来れば入手情報が偽りであって欲しいとさえ願っている。

ともあれログハウス業界の発展には微力ながら可能な限り貢献して参りたいと考えている。そして今日は半歩、明日は一歩、たとえ僅かでも着実に前を向いて進んで参りたい、そう思う今日この頃である。
ログハウス協会にもあえて加盟せず、メーカー同士の横の連帯もあえて避けてきた木香館を今日まで支えて頂いた全ての方に、この紙面を借りて、心より厚く、厚く御礼申し上げたい。本当に有難う御座いました。

最後に、これまでもそうして来た様に、外来である建築文化のログハウスと言う木の家を、これからも日本人の暮らし向きにあった「お箸の文化のログハウス」造りを決して忘れる事無く、初心を忘れず邁進して参りたいと強く、強く決意しております。
今から5年後に訪れるであろう、いや、必ず訪れて欲しい木香館の世代交代の日まで、この身を賭して昼夜を厭わず全身全霊を傾け着実に前を向いて歩んで参りたい。其れこそが、此れまでに施工させていただいた多くのユーザー様、現在、木香館のログハウスを希望され、打ち合わせ進行中のユーザー様、これから未来に木香館のログハウスを造りたいとお考えのユーザー様、また直向に協力を惜しまない業者の皆様、拘りが強く我侭な私のログハウスへの夢を愚痴一つ言わず実現させようと陰日なた無く尽くしてくれるスタッフと家内への報恩であると信じて、筆を置かせて頂きます。 木香館 万歳!

                       
                    平成19年2月3日

株式会社 木 香 館
創業者 三 枝 一 雄

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